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公認スキーパトロール受検にあたって(2024年度版)

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公認スキーパトロールとは

 スキーパトロールの使命は、スノースポーツを楽しむすべての人々に、高品質の安全・安心
なサービスを提供することです。
 また、スキー場のマイスターとしてすべてのスキーヤーから信頼される存在となるために、スキーパトロールに必要な知識と技術に加え、ホスピタリティ、弛まぬ向上心、スキーパトロール同士の強い連帯感、リーダーシップ、責任感を兼ね備えることが望まれます。
 これらを実現するために、次のような知識や技術を習得し、任務にあたる必要があります。
❶ スノースポーツのリスク分析と傷害予防・安全マナー指導に関すること
❷ スキー場の整備と巡視等の安全対策に関すること
❸ 傷病者の救護・搬送・事故処理に関すること
❹ 索道からの旅客救助に関すること
❺ バックカントリー・雪崩・気象に関すること
 さらにスキーパトロールは、次に掲げる義務・任務を負います。
❶ 公認スキーパトロールの使命を完遂するため、スキーパトロール研修会に2年に1回受講し、修了しなければならない。また、その他の関連研修も積極的に受けなければならない
❷ 公認スキーパトロールは、加盟団体や所属団体の事業には優先的に参加しなければならない
❸ スキー場の常勤・非常勤・ボランティアスキーパトロールは、スキー場の安全管理・安全指導や救護活動に積極的に関与しなければならない
❹ その他救護活動等への協力を求められた場合、積極的に関与しなければならない

申込要件

❶ 本連盟登録会員又は登録予定の者
❷ スキー級別テスト1 級以上の者
❸ 赤十字救急法救急員認定証(有効期間5 年)の交付を受けているか検定会までに取得見込みの者※ 1、救急Ⅰ課程修了者(消防学校において、135 時間以上の教育を受けた者)、医師、看護師、准看護師又は救急救命士いずれかの資格を有する者
❹ 受検する年度の4 月1 日時点で20 歳以上
❺ 加盟団体が実施するスキーパトロール養成講習(以下「養成講習」という)を修了し、修了証※2(有効期間3 年)によって証明された者又は修了見込みの者
※ 1、※ 2 特例措置等は別に定める 

申込方法

❶ 本連盟会員管理システム「シクミネット」で受検年度の会員登録・決済を済ませてください。シクミネットから申込み出来ない場合は、所属クラブまたは所属加盟団体に相談してください
❷ 受検者は、シクミネットマイページから、申込み期間※ 3 に、下記必要書類をアップロードし、検定会の申込みをしてください
❸ 加盟団体は、必要書類に不備がないか確認後、シクミネットで承認※4してください
❹ SAJ 本部は、申込書類審査※ 5 を行い、不備がなければ参加費支払いに関するメールを、シクミネットマイページに登録しているメールアドレスに送信します。不備があった場合は申込みが差し戻され受検不可となります
❺ 受検者は、支払期限※ 6 までに、参加費(検定料)を支払ってください。参加費の支払いがない場合は、申込みが取り消されます
❻ 申込時の検定料、合格後の公認料、登録料、バッジ代については別に定める『各種公認・登録料金一覧表(抜粋版)』のとおりとする
※ 3、※ 4、※ 5、※ 6 の日程等は別に定める

申込時必要書類(※2)

❶ スキー級別テスト1 級合格証(但し、スキー準指導員・スキー指導員・功労スキー指導員有資格者は不要)
❷ 有効期限内の赤十字救急法救急員認定証(有効期間5 年)、救急Ⅰ課程以上の修了証の両面写し又は医師、看護師、准看護師、救急救命士いずれかの免許状の写し。赤十字救急法救急員認定証又は救急Ⅰ課程以上を取得見込みの場合は、取得見込みの認定証名と取得見込みであることを記載した文書PDF(指定様式
❸ 有効期限内の養成講習修了証(有効期間3 年)受検年度に養成講習修了見込みの場合は、加盟団体長名で養成講習修了見込みと記載した文書PDF(指定様式
❹ 上記①~③をそれぞれPDFファイルでアップロードしてください(両面必要な場合は両面の写し)。

公認スキーパトロール養成講習概要

【1】公認スキーパトロール養成講習は、別表③のとおりとします。
【2】次の実技3 種目については、講習内検定として実施し、その検定基準と実施要領については別表④・⑤・⑥のとおりとします。
❹ 片開きプルーク
❺ 救急法テスト
❻ ロープ操法テスト

検定会理論・実技テスト出題範囲

 検定は、「公認スキーパトロール検定規程」及び「公認スキーパトロール検定基準と実施要領」に示された内容・方法で実施します。
❶ 理論テストは、「本連盟の教程等刊行物」「規約・規程」より出題します
❷ スキー実技(基礎種目)は、「公認スキーパトロール検定基準と実施要領」別表①により実施します
❸ スキー実技(搬送種目)は、「公認スキーパトロール検定基準と実施要領」別表②により実施します

公認スキーパトロール検定及び養成講習の実施要領

別表① 公認スキーパトロール検定 基礎種目テスト実施要領

区分

実技種目

斜面/回転数

実技の内容

評価の観点

制動

技術

プルーク

ボーゲン

・整地/中急斜面

・中回り

・6回転~8回転

制動を主体とした回転技術

・ターン運動の構成(ポジショニング、エッジング)

・斜面状況への適応度(スピードと回転弧のコントロール)

・運動の質的内容(バランス・リズム・タイミング)

横滑り

・整地/中急斜面

・プルークスタンスでの左右の切換え4回以上

・ピボット操作での左右の切換え4回以上

・種類の異なる切り換えを連続して行う

・スピードコントロールとフォールライン方向維持

応用

技術

パラレルターン

(小回り)

・整地/急斜面

各種地形・雪質への対応

滑らかで安定した操作

パラレルターン

(大回り)

・整地/急斜面

各種地形・雪質への対応

滑らかで安定した操作

別表② 公認スキーパトロール検定 搬送種目テスト実施要領

区分

実技種目

斜面/回転数

実技の内容

評価の観点

搬送技術

制限搬送

・整地/緩〰中斜面

・大回りと浅回り10~15旗門を含む複合コース

・仮傷病者を載せたアキヤボートを後方1人操作で搬送する

・安定を優先した

スムーズな操作

・指定条件の達成

真下搬送

・整地/中~急斜面

・旗門間隔5m以内、旗門距離10m以内のオープンゲート4セットで構成されたコース

・仮傷病者を載せたアキヤボートを後方1人操作で搬送する

別表③ 公認スキーパトロール養成講習実施要領

I.理論講習 15時間(集合講習 6時間、自主学習 9時間)

講習科目

時間

内容

序論

1.0

①スノースポーツを取り巻く環境 ②スノースポーツに内在する危険

③スノースポーツ事故の実態 ④事故と法的責任

⑤安全なスノースポーツ環境の創出に向けて

安全な滑走のために

1.0

①スキーヤーの責務 ②引率者・指導者および受講者の責務

③救助義務 ④ジュニアスキーヤー、シニアスキーヤーの安全対策

⑤スノーボーダーの安全対策 競技スキーの安全対策 スキー用具と安全

スキーパトロール概論

1.5

①スキーパトロールとは ②スキーパトロールの業務内容

③スキーパトロールに求められる知識・技術

④スキー場の運営

スノースポーツの医学

1.5

①スノースポーツ救急法概論 ②スノースポーツの外傷・障害

山岳スキー

1.0

①バウンダリーを越えることの意味 ②基礎知識・基本技術 ③装備

④冬山の気象学 ⑤雪崩 ⑥捜索費用・保険

II.実技講習 22.5時間(集合講習 14.5時間、自主学習 8時間)

講習科目

時間

内容

基礎種目制動技術

3.0

スキーパトロールとして必要な、制動技術・回転技術・総合技術を用いた

プルークボーゲン 横滑り 片開きプルーク(別表④,講習内検定)

基礎種目応用技術

2.0

パラレルターン(小回り・大回り)

搬送種目

5.5

仮傷病者を載せた乗せたアキヤボート後方一人操作で

制限搬送(浅回り搬送,大回り搬送) 真下搬送

救急法

2.0

赤十字救急法講習教本に示す三角巾包帯法及び止血法(別表,講習内検定)

ロープ操法

2.0

本連盟の教程等刊行物に示すロープワーク(別表,講習内検定)

別表④ 公認スキーパトロール検定 基礎種目テスト(片開きプルーク)実施要領(講習内検定)

区分

実技種目

斜面/回転数

実技の内容

評価の観点

合否判定

制動

技術

片開きプルーク

・整地/中斜面

・左右の切換え4回

・直滑降、切換え、停止ゾーン指定

・スピードコントロールとフォールライン方向維持

・滑らかで安定した切換え操作

・ターン運動の構成(ポジショニング、エッジング)

・斜面状況への適応度(スピードと回転弧のコントロール)

・運動の質的内容(バランス・リズム・タイミング)

100ポイント満点とし,75ポイント以上を合格とする。

別表⑤ 公認スキーパトロール検定 救急法テスト実施要領(講習内検定)

区分

課題

条件

方法

評価の観点

合否判定

止血

出血に対する手当として、直接圧迫止血法(1種目)と止血帯止血法(2種目)を出題する。

・検定員は、受検者を事前にバディを組ませ、一方を救助者、他方を傷病者とする。

・具体的に、患部及び状態を指定する。

・傷病者の体位は、検定員が指示する。

・止血帯は、素早く実施することが原則であり制限時間は設けないが、検定中に緊縛時間が長くならないように配慮する。

・救助者と傷病者は向かい合って位置する。

・救助者は、検定員の「始め」の合図で、手技を開始する。

・救助者は、検定員の「止め」の合図で、手技を終了する。

・検定員は手技を採点する。

・救助者と傷病者は、役割を交代する。

a.直接圧迫止血法

・患部の状況にあった保護ガーゼを当て、手全体で圧迫しているか

・救助者の位置、姿勢は良いか

b.止血帯止血法

・止血帯を巻き付ける位置は正しいか

・棒やロッドの固定は確実にできているか

・三角巾やバンドは緩くないか

※種目ごとに以上のポイントを目安に判定する

1種目あたり100ポイントとし,8種目の合計が600ポイント以上を合格とする。

包帯・固定(副子を使用しないもの)

・きずに対する手当として、三角巾(額,頭,前腕a,膝,腕のつりaから4種目)を出題する。

・骨折、脱臼、捻挫に対する手当として、副子を使用しない固定(鎖骨骨折固定,足首捻挫固定から1種目)を出題する。

・検定員は、受検者を事前にバディを組ませ、一方を救助者、他方を傷病者とする。

・救助者は、保護ガーゼ、三角巾等を用意する。

・具体的に、患部及びきずの状態を指定する。

・傷病者の体位は、検定員が指示する。

・三角巾は開き三角巾の状態から始める。

・制限時間は、概ね次の時間を目安とする。

三角巾1枚を使用するものは1分30秒

三角巾2枚を使用するものは2分30秒

・救助者と傷病者は向かい合って位置する。

・救助者は、検定員の「始め」の合図で、手技を開始する。

・救助者は、検定員の「止め」の合図で、手技を終了する。

・検定員は手技を採点する。

・救助者と傷病者は、役割を交代する。

a.保護ガーゼ(固定は除く)

・確実に患部を覆っているか ・きずにあった厚さ、広さになっているか

b.包帯の巻き方

・手順通りに出来ているか ・たるみがなく保護ガーゼが支持されているか ・患部を十分に覆えているか ・本結びになっているか ・末端の処理はよいか

c.締め具合

・きずにあった締め具合になっているか

d.結び目の位置

・基本的に外側、上部で結ばれているか ・きずを避けた位置で結ばれているか

e.その他

・傷病者を手荒に取り扱っていないか ・保護ガーゼ、包帯の扱いは良いか ・全体のバランスは良いか ・時間内にできたか

※以上のポイントを目安に判定する

別表⑥ 公認スキーパトロール検定 ロープ操法テスト実施要領(講習内検定)

区分

課題

条件

方法

評価の観点

合否判定

ロープ操法

本連盟の教程等刊行物に示す結びの種類から8種目を出題する。

・検定に使用するロープは,外径7.0~12.0mm,長さ5m,材質はロープ検定種目に適したものとする。

・検定員は、結びの種類を指定する。

・受検者は、ロープ末端を片手で保持した状態で待機する。

・制限時間は,全種目とも40秒とする。

・受検者は、検定員の「始め」の合図で、手技を開始し,「止め」の合図で、手技を終了する。

・検定員は評価の観点に基づき採点する。

・輪の大きさ(種目の用途に適しているか)

・末端の長さ(一握り程度の長さか)

・結束の強さ(結びが緩んでいないか)

・時間(制限時間内に結束できたか)

1種目あたり100ポイントとし,8種目の合計が600ポイント以上を合格とする。

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